
無理せずできるインプラント
これに対する答えは、NCIでは鮫の軟骨の研究はしないことに決定した、それが最終決定です、ということだけであった。
これで幕は降りた。
1980年代にエイズという疫病が最初に公表されたとき、K肉腫という名がアメリカ人の頭を直撃し、多くのアメリカ人はこれは新しく発見された病気か、少なくとも新しく命名された病気だと思った。
しかし、事実はそうではない。
K肉腫はガンの一種で、1872年、M・Kによって最初に発見されている。
KSでは奇妙なかたちをしたガン細胞が細い血管の膜に取りつく。
そのままにすれば、増殖して本当に血管がふさがれてしまう。
病気の影響を受けた四肢はふくれあがり、器官は結滞したり肥大したりする。
KSはエイズの発祥地となったとされているアフリカにはかなり多い病気で、それはこの地域の生活が非衛生的だからだと解釈する説もある。
赤道アフリカには、ガンの10パーセントはKSだという国もある。
この地域ではKSはしばしば子供に起こり、病気になった子供は首のリンパ節が大きくふくれ上がり、それが命取りになる。
1980年以前、アメリカではKSは100万人に1人がかかるだけのまれな病気だった。
かかるのも東ヨーロッパ系やユダヤ系、あるいはイタリア系などの老年の男性で、女性や若い男子がかかることはなかった。
N大のガン患者記録システムにも、1970年から79年の間のB病院でのKS患者は1人も記録されていない。
KSにかかった患者の病気の進行は、通常は遅く、茶色か紫色の特徴的な斑点が脚にできる。
KSの治療はたいがいうまくいき、命取りになることは少ない。
1950年に最初の腎臓移植が成功したころから、KSはすこしずつ増え始めた。
移植を受ける患者は、自分の免疫機能によって、移植された臓器を排斥してしまわないようにするため、免疫機能を抑制する薬を与えられる。
これによって彼らは結果的にKSにかかりやすくされた。
これで見てもKSが免疫機能の低下で起きる病気というのは確かで、だからKSは機会によるガンとも呼ばれる。
通常の免疫機能が低下した機会に起こるガンだからである。
免疫機能抑制剤を使う療法が中止されると、KSも起きなくなった。
しかし、そのすぐあとから、KSは確実に増えるようになったのである。
1981年、アトランタの病気情報センターでは、ホモの若い男性でKSになった者からの報告を最初に受け始めた。
これは、のちに続くエイズという流行病の先ぶれとなるものであった。
エイズ患者の25パーセントはKSと診断される。
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